開発仕様書
10Section

AI 管制塔

社内オペレーションを束ねる AI エージェント群と、それを監督する人間オペレーターのワークフロー。

MAISON Direct の競争優位の源泉。LLM オーケストレーションと専門エンジンの組合せで、 商社が属人で行ってきた調整を 1/10 のコストで実行する。

7.1 エンジン構成

Engine目的主要入力主要出力
Sourcing Engine注文ごとに最良の調達先を決定Product, SupplyOffer[], 為替, 卸信用度確定 offer + スコア + 代替候補
Logistics Engine物流ルートとコンソリ便の最適化集約倉庫キャパ, コンソリ便枠, 緊急度物流プラン (倉庫 → 便 → 通関 → 国内)
Artisan Engine職人 / 工房への作業配分案件種別, 職人スコア, 稼働担当割り当て + 納期予測
Document Engine契約 / 通関 / 修理仕様の文書生成Order, Karte, Vendor 規格PDF / JSON 文書一式
Anomaly Engine遅延 / 破損 / 通関停止の検知MilestoneEvent ストリーム, 過去事例アラート (優先度) + 代替提案
Valuation Engineリセール価格・買取価格の予測商品履歴, 市況, 状態評価想定価格 (3y/5y/10y)

7.2 オーケストレーション

上位の「Orchestrator」が LLM (Claude / GPT) を使い、各エンジンを呼び出して計画を立て、 人間オペレーターに承認待ち / 自動実行 / アラート の 3 区分で提示する。

Event: 「Cassina LC4 を 1 名顧客から注文」
                          │
                          ▼
              ┌──── Orchestrator (LLM) ────┐
              ▼                            ▼
   Sourcing Engine                Logistics Engine
   · 卸 A (€2,800, 14d, ★4.8)     · 集約倉庫 (Milan), 4/10 入荷
   · 卸 B (€3,100, 7d,  ★4.2)     · コンソリ便 5/1 出航 (空きあり)
   · 廃業在庫 (€2,500, 21d,★3.9)   · 通関 5/12 完了予定
              │                            │
              └─────────┬──────────────────┘
                        ▼
              Document Engine: 売買契約 / 通関 HS コード 案
                        │
                        ▼
              Plan v1: 卸 A 採用 / 5/1 便 / 顧客到着 5/22
                        │
                        ▼
              人間オペレーターに「自動実行 (承認)」提示
                        │
        ┌───────────────┴───────────────┐
        ▼                                ▼
  承認 → 自動発注                  却下 → 代替案提示
                                  (卸 B 採用, 短納期, +¥40,000)

7.3 人間 (オペレーター) の責任範囲

完全自動化しない領域

  • 金額 100 万円超の発注 — 人間承認必須
  • 新規卸との初取引 — 人間承認必須
  • 異常検知後の代替提案 — 影響額 50 万円超は人間承認
  • 顧客との修理 / リセール価格合意 — チャットは人間運用 (LLM 下書き提示)
Design: AI 管制塔ダッシュボード

7.4 学習 / 改善ループ

  • 承認 / 却下のログをすべて Anomaly Engine / Sourcing Engine の学習データに
  • 納期実績 vs 予測の誤差を毎週バッチで再学習
  • 職人スコアは納品後の顧客満足度 (5 段階) を即時反映
ガバナンス
AI の意思決定は必ず根拠データ (スコア計算の内訳、代替案、過去類似事例) を併記する。 ブラックボックスにせず、オペレーターと顧客の双方が「なぜこの選択をしたか」を遡れることが、 ブランドへの信頼を担保する。

7.5 データ・ネットワーク効果

取引が増えるほど Sourcing / Valuation / Anomaly の精度が向上する。 後発が真似できないモートを早期に構築するため、Phase 1 から全イベントを構造化保存する。